第1回:マーケテイングの本質

これまでは、言われた通りにWebデザインやシステムを作って終わり、という働き方が中心でした。これからはEC運営に携わるので、自分で考えて作るだけでなく「どうすれば売れるか」を意識したデザインや仕組みづくりが必要になります。そのため、マーケティングの知識を学び、それを実践できるようになることを目的に、本記事では学んだことを勉強ノートとしてまとめていきます。

マーケティングの定義

あくまで自分の考えですが、マーケティングとは「商品が解決できる課題・提供できる価値」と「お客様が求める結果や体験」を一致させ、売り込まなくても自然に売れる状態をつくることだと考えます。ここで言う「自然に売れる状態」とは、何もしなくても売れる状態ではなく、お客様にとって「選ぶ理由」が十分に揃っている状態を指します。集客に重きを置いた考え方ですが、WEBマーケティングにおいては、集客ことそがマーケテイングの基礎で重要視な工程だと考えています。

経営学者ピーター・ドラッカーは「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」と述べています。ここで言う「販売」とは、売り込みや押し売りを指していて、マーケティングの目的は売り込みを行わずとも顧客に選ばれる状態を実現することにあると思います。

EC運営においては、適切なターゲティングに基づく広告やSEOによる「集客」は「売り込み」ではなく、商品と顧客のマッチングを実現する重要なマーケティング活動のひとつです。ただし、以下のような違いがあります。

  • 良い集客:ニーズを持つ人に、そのニーズを満たす商品を届ける
  • 売り込み:誰でもいいからサイトに呼び込み、購入を迫る

例えば「椅子 腰痛 おすすめ」で検索している人の目の前に、腰痛改善の効果を持つ椅子を扱う商品ページを表示させることで、顧客は「これを探していたんだ!」と喜びます。これがマーケティングの理想的な状態です。

ネットマーケティングにおいては、このような適切な集客を基礎としつつ、商品設計・価格・購入後体験までを含めて顧客価値を最大化することが重要だと考えます。

ドリルと穴理論

マーケティングでは有名な理論がありまして、それが「ドリルと穴理論」です。電動ドリルを買いに来たお客様が本当に欲しいのは「穴を開ける」という結果(ベネフィット)だという理論です。つまり、お客様は「電動ドリル」という手段ではなくその先にある「穴を開ける」という目的を買っているという考え方です。

さらに深く考えると「穴を開けた」という事実そのものではなく、その結果として得られる体験や感情です。例えば、穴を開けることで本棚が完成し「子どもが喜ぶ姿を見られた」「理想の部屋が完成した」といった体験こそが、本当の価値(ベネフィット)だと言えます。

マーケティングでは、このようなお客様自身も気づいていない本音や欲求(インサイト)を理解し、それを写真・キャッチコピー・商品説明、そしてストレスのない購入導線(UI/UX)として表現することが重要です。この設計ができたとき、WEBマーケティングは最も強力に機能すると考えます。

WEBマーケティングへの応用

WEBマーケティングにおいて重要なのは「何を作るか」ではなく「どんな体験を提供するか」を先に設計することです。お客様はカッコイイデザインのサイトが見たいわけでも、高機能なシステムを使いたいわけでもありません。そのサイトでの買い物を通じて得られるベネフィットを求めています。

例えば「高級羽毛布団」をECで売るとします。スペックとして「最高級の羽毛を1kg使用」「側生地はシルク100%」だとします。これによって得られる結果は「冬でも暖かく眠れる」「肌ざわりがよく寝心地がよい」ということ。これらから表現できるベネフィットは「泥のように眠り、朝スッキリと目覚められる体験」「冬の朝、暖房なしでも布団から出たくなくなるほどの暖かさ」ということです。

スペックではなくベネフィットを前面に出すことで、お客様自身も気づいていない欲求(インサイト)を突いた訴求が可能になります。これこそが、ECサイトやWEBデザインにおいて実現すべき理想的なマーケティングだと考えます。